仕事でも趣味でも、よくものを書いている。とは言っても小説やエッセイのようなものではなく、ただのブログだ。それもまとめ記事だったり、雑文だったり、なんでもないような文章をよく書く。
しかし、仕事やアフィリエイトブログを書きたいと思ったら、そのような雑ライティングでは成果が出ないこともしばしば。書きたいことも押し殺してポイズン、成果が出るように書くのだ。
▼SEOライティングも仕事ライティングも根本は同じ「読者のために書く」
では、そのような仕事ライティングと趣味ライティングの違いはなんだろう。それは書き手の視点の位置である。
まず言っておくが、趣味ライティングは誰に読ませる必要もない。オナニーでいい。
だからこそ書きたいことを書けるし、書きたいことが書けてなくてもいい自由さが楽しく、魅力的なのだ。
一方で、仕事ライティングが難しいのは、その技法よりも「書きたいことが書けない」あるいは「書きたくないことを書く必要が生まれる」ことだろう。
作家の西加奈子さんは小説家としてのデビュー前にライターとして仕事をしていたそうだが「取材するお店のことよりも、その店主の人間性や振る舞いをどうしても描きたいと思ってしまった」から、小説家になることを決めたという。
要するに、プロのライターという書く仕事は、好きなものを書く職業ではなく、求められてることや、伝える必要があることを端的に描写し、媒介する、いわば書き手自身も媒介者としてのメディアなのだ。
アフィリエイトも同様で、主観よりもユーザー視点が求められる。一部のタレントライターやジャーナリストはその人自身にファンがつくことで、描きたいものが描ける仕事に見えるが、ある程度彼らもユーザーに求められるものを自然に身につけた結果、描きたいものが自由に描けている風に見えるだけだろう。
長くなったが、つまりは仕事として文を書くのは自由ではない。ユーザーのために書く。ということを知っておいてもらいたい。
▼では、仕事として書くために何のスキルが必要か
その認識を持っていただいた上で、では何のスキルが必要なのか。
必要なスキルを、私は以下のように定義している。
「読まれるための文章を書くスキル」
端的だが、これ以上の何者もない。あとは書くフォーマットが雑誌なのか、ウェブなのか、アフィリエイトサイトなのか、個人ブログなのかによって変わる。
今回は、ニーズが高いであろう、かつ私自身も経験の長いWebライターやブロガーとしての書くスキルを高めるためにおすすめの5つの書籍を紹介する。
①検索経由で読まれるためのSEOライティングの基本「SEO対策のための Webライティング実践講座」
検索経由で読まれるには、ある程度のテクニックが必要だ。そのコツをつかむのは、実践が一番だと個人的には思っているが、まずは基礎知識を収集するのは役に立つ。
ライターやアフィリエイター、ブロガーには、高度なSEOの知識は必要ないが、書くときに使えるSEOの知識はとても重要だ。
この一冊は「書くためのSEO」に特化しているからこそ、簡単でしかも使いやすい入門書となっている。
②かんたんで伝わりやすい文章を書くための本「武器としての書く技術」
言わずと知れた有名炎上ブロガーのイケダハヤト氏は、個人的には人格は嫌いだが、この本は役に立つ。
ブロガーのライティングに必要な基礎を示したもので、編集者やWebライターとして活動していきたい人にとっては誤ったノウハウを与えかねないので微妙ではあるが、アフィリエイター、ブロガーとして文を書いていきたい人にはおすすめの一冊。
③取材したいと思ったら「インタビュー術!」
取材したいとおもったとき、そのお作法やノウハウを理解するのは難しい。巷に決まった型があるわけではなく、編集やライターが独自のノウハウで実践しているテクニックだから、ルールブックのようなものは存在しないのだ。
一方、取材の際のマナーやルールも明文化されていない。個人的には普通の営業能力を簡単にしたものだと思うのだが、それを簡単に紹介しているのがこの一冊だ。
④文章の書き方を学びたいと思ったら「新しい文章力の教室」
文章の書き方を学びたい、うまくなりたいと思ったらこの一冊。
ナタリーは読んだことがある人も少なくないと思うが、素人から玄人になるステップを簡潔に示してくれる。
私自身、ライターとして仕事をしていた時期には、同じような指摘を編集者からされることが多く、なるほどこの本はよくできていると感じた。
「ユーザーに読まれる魅力的な記事を書く」という話以前の「当たり前にライターとしての基準をクリアする」ための書籍としておすすめだ。
⑤記者や編集者の表記ルールが知りたいと思ったら「記者ハンドブック」
新聞や雑誌、Webメディアを読んでいるときに、あまりおかしな表現は見たことがないだろう。一方で、アフィリエイターのブログや素人の個人ブログにはおかしなところが多い。
それは何が原因かというと、表記ルールが統一されていないことだ。
いわゆる商業メディアは、一般的に「レギュレーション」「トンマナ」と呼ばれる、メディアの執筆ルールを定義するルールブックが存在する。それが統一されているか否かで、パブリックメディアとプライベートメディアの境目が決まると思っている。
この「記者ハンドブック」は、もっとも一般的な表記ルールを統一するためのルールブックだ。多くのメディアでそのまま、あるいは多少改変をされて使われている。一度は目を通しておいたほうがいいだろう。
ちなみに、このブログはトンマナもレギュレーションもない。趣味のブログだからだ。
〆.興味を持ったら修行をすればいいじゃない。ライター仕事のはじめかた
紹介は以上。興味を持ったら、実際に書いてみればいいと思う。
ただし、それも修行と言えるような、指導者がいる場所で行うのが個人的にはおすすめだ。
書き方を教わりたいか、読ませる文章の書き方を教わりたいかにもよると思うが、個人的には後者を学べる仕事を探すのがいいのではないだろうか。
今ならそんな機会はたくさんある。ぜひ興味のあるところに飛び込んでみてほしい。
コメント